9110 吉岡里帆 as 慶
吉岡里帆氏が1993年1月生まれ、京都・太秦出身。有村架純氏が同年2月生まれ、兵庫・伊丹出身。のん(能年玲奈)氏が同年7月、兵庫・神河町出身。
のん氏のみ学年が一つ下だが、三者とも「1993年生まれの関西出身」という共通項で括られる。
三者三様ゆえイメージは被らないが、全員が主役級となった今、共演のハードルはむしろ高い。かつて『あまちゃん』でのん氏と有村氏は共にクレジットされたが、同じフレームに収まったことは一度もない。
有村氏とのん氏は朝ドラ主演を経験し、吉岡氏は助演で光った。大河ドラマでは吉岡・有村両氏が主役の相手役を務めた一方、のん氏にはまだ大河の経験がない。
同郷・同世代、互いを意識しないはずがない。……知らんけど。ただ、この三人のうち誰か二人の「バディもの」や、あるいは「トリオもの」を一度でいいから観てみたい、と願ってしまう。
今回の吉岡氏。相手役が仲野太賀氏となれば、映画『泣く子はいねぇが』での、あの険悪な若夫婦ぶりを思い出す。今回も今のところ、どこか面倒くさそうな関係性だ。史実を鑑みれば、このままの温度感では終わらないはずだが。
個人的な印象だが、有村氏は王道の恋愛ドラマを軸足に置くことが多い気がする。言ってみれば、王道の“国民的ヒロイン”路線。だからこそ、ご本人が役を掴みかねていたという『ちひろさん』のような異色の役どころが、オレは好きだ。のん氏は決してコメディエンヌではないが、『幸せカナコの殺し屋生活』などジャンルに縛られない軽やかさが面白い。独自の表現領域を切り開いた“孤高の存在”であることが、ある種の凄みになり得る。
対して吉岡氏。彼女は、心の奥底にあるドロドロとした情念を滲ませる役がよく似合う。“役の奥にある暗い水脈”を掘り当てるタイプの女優になってきた。『ハケンアニメ!』のラスト、ベランダで見せたあの表情は、今も強く印象に残っている。
上で書いたが、キャラが被らないどころか、この三者を主役に据えると、作品全体の方向性が定まらないという危険がある。なるほど、だから共演がない理由、この辺にもあるのかもしれない。
三人のなかで今、最も「ヒリヒリするような芝居」を見せてくれるのは、そんな情念と繊細さを併せ持つ“内圧型の女優”である吉岡氏なのかもしれない。……いや、これもまた私の勝手な推測に過ぎないが。
どうか最後まで、恙なく演じ切られますように。

0 件のコメント:
コメントを投稿