7404 VT250F_2
「過ぎ去った時間、癪だけど今よりまぶしい ♪」
なんて、負け惜しみいたしません。そんな元気すらないオジサンでございます。昔はリア充的な意味で幸せだった、なんてことはちっともないけれど、それでも何となく浮かれていられた。「あしたはきっと何かあるなんて、甘えたことをぬかしてるジョー」(電気グルーヴ)であります。「他力本願、ハルクホーガン、オレの●ーガン、君のコー●●」であります。
電気グルーヴじゃなくて、大瀧詠一でしたね。
この「君は天然色」である。ジャケットのカラフルさとメロディラインのポップさ加減に騙されるが、「A Long Vavation」、なかなか毒の効いた歌詞の曲がそろっている。「君は天然色」も、歌われているのは幸せな恋ではない。
で、ジャケットの永井博氏のリトグラフかシルクスクリーンか。いや、一枚モノの描きおろしかもしれない。ある明度以下の影は黒のベタ塗りである。その上に、一枚モノの描きおろしというなら、ホルベインのガッシュでいえばアイボリーブラックというよりはジェットブラックの上に原色、チューブから絞ってきてそれほど水で薄めていない色を乗せてあるような、そんな描写。
若い時は、そういう割り切りが好きだった。でも、この年になると、陰影の中にも書くべきことがいっぱいあるんじゃないか、抽象的な意味だけではなく、直接的そのものずばりの絵であっても、そう思うようになってきた。っていうか、正直、黒ベタ塗りの面を見ているが辛いのだ。
若い時は、そういう割り切りが好きだった。でも、この年になると、陰影の中にも書くべきことがいっぱいあるんじゃないか、抽象的な意味だけではなく、直接的そのものずばりの絵であっても、そう思うようになってきた。っていうか、正直、黒ベタ塗りの面を見ているが辛いのだ。
1981年3月21日、「A LONG VACATION」リリース、1982年5月25日 VT250F発売、ということらしい。この両者、つながりは全くない。この時代からみた、あの時代は・・・という括り以外。
ただ、何かに酷く焦がれていた、若いころの感情、もう結構忘れてしまっているけれど、どんなんだったかな、と、ちょっとだけ必死に思い出そうとしたら、何となく重なって思えた。
どうなんだろうな、昔話なんて、結構不健全って言われてしまうことが多いんだけど、実際今のものには逸らない、心が何となく動かないこともあって、それを詳述してしまうと尚更不健全って言われてしまいそうで、でも、あの時のあの感覚というのはすごく大事なものだったようにも思ったりして。
VT借り出して、小豆島行ったことがある。明石のあたりの国道、アスファルトの照り返しが熱く、大型車の排気ガスがひどかったな。でも、思い出すのはろくな結末を迎えなかった甘い恋ではなく、そういうじりじりした感覚ばかりで、それがひどく懐かしいのだ、不思議なことに。