ラベル 月野モア の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 月野モア の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年6月20日金曜日

グラビアさん

 

8807 月野モア

 有象無象、と言っちゃ失礼か。ピンからキリまで、いや、これも失礼だな。まぁ、なんだ、地下アイドルやらグラビアアイドルやら、そこそこ名が通ったコから”自称”まで、この世には何人いることやら。ここでは、あえて、彼女たちの事を「グラビアさん」と呼んでしまおう。  名前は知らなくてもどこかで見かけた顔。かつてはフェミニストの論争の的にもなったグラビアさんたちだけれど、近年はあまり目立って叩かれることもなくなったようにも思う。フェミの側も、彼女たちがその世界で生き残るために必死なのを知っているのかもしれないし、下手なことを言えば、手痛く逆襲に遭うからかもしれない。  そもそも、売り出し中の若手女優がまず水着グラビアから始めるなんてこともあるだろう。若手から中堅になりつつある、ある女優さんなど、事務所がとってきたグラビアの仕事を拒否したから干されたんじゃないか、と邪推している。  かと思えば、グラビアこそが自己表現と言わんばかりの、グラビア界の大ベテランもいたりして。  若い頃にはこちらも、いろいろとお世話になった。けれどこの歳になると、グラビアを見る視線が変わってくる。相変わらず体の曲線には楽しませていただいているが。しかし、今や体温や肌の質感や吐息を創造するよりも、彼女たちの背景や生活を想像してしまう。  別にグラビアさんたちの生活に入り込むことなんて考えていない。この撮影があった後、名の通った人なら送り迎えもあるだろうが、一般への認知度が低い駆け出しのコなどの、撮影現場から歩いて駅に行き、電車に乗り部屋に帰る途中でコンビニで何か買い、部屋で、もそもそ、それを食べるところとか。  どんなきっかけでこの道に入ったのか。クラスで一番か二番くらいに可愛くて、スカウトされて、自分のルックスに需要があると踏んだのか。あるいは五番目くらいだけれど、どうしても芸能界に入りたくて、自分を売り込んだのか。もしくは他にやりたいことがあって、その資金を得るために、まずはグラビアで、と決めたのか。たぶん、いろんな子がいるんだろう。  でも、グラビアさんの業界、トップランカーをはるのは、甲子園で優勝するより難しいかもしれないんじゃないか?知らんけど。夢を叶える人間の影で、名もなく消えていく子の方が圧倒的に多いような気がする。少なくとも、あ、このコいいな、と思っても、それっきり二度と拝見できなくなることも珍しくない。  いや、確かにクラスじゃ、どっちかと言えば可愛い方だったかもしれないだろうけど、グラビアでやっけるほどじゃないし、正直キツくね? というコや、確かにそれ位だったら場合のよっちゃクラスで一番かわいかったかもしれないが、残念ながら量産型。または、うわ、表情強張ってる、みたいな明らかに無理しているように見えるコもいて、痛々しい気持ちになる。でも、まぁ、な、世の中それでひるむぐらいなら、最初からやるべきじゃないし、覚悟の上の事だろうが。  大丈夫? 悪い大人に騙されてない? って。本人が「やる」と決めたなら、そのコの生き方だ。応援することにやぶさかではない。でも、う~ん、どうなんかねぇ?  自分の娘じゃなくてよかった、と正直思う。娘がこういう生き方を選んだら、親としては反対しちゃうような気がする。心配で、背中を押してあげるなんてできないんじゃないかな?  無責任な消費者としてなら「身体に気をつけてな。うまくいけばいいな」とか言ってあげられるが。