7280 Jean Alesi_3
Jean Alesi
Tyrrell 018 Ford
Jerez 1989
「男はつらいよ」に関し 4
劇中に出てくる単車はネタ切れで、クルマに関してもこれはというものがなく、及川泉ちゃんを演じる後藤久美子氏のリアルのパートナー、ジャン・アレジ氏を描いてみることにした。
ジャン・アレジ氏というと、息子のレース資金の捻出のため、時価1億円ぐらいするんじゃないかと言われるF40を売却したりとか、最近では実弟のビジネス上のトラブルから起こした爆竹騒ぎでおとがめを受けたりとかというニュースを訊いたりする。ファミリー思いなのは良いが、爆竹騒ぎ、後藤久美子氏が、寅さんが問題を起こしたのを聞いたさくらさんのような表情をしていたのかもしれないと思うと、不謹慎だが笑ってしまった。
さて、今、男をつらいよ、というタイトルで新作もなかなか作れないだろうと思う、理由の一つに、そのタイトル自体があったりする。矢野顕子氏の「ラーメン食べたい」の歌詞の中で
「男もつらいけれど、女もつらいのよ」
というのがあるが、言ってみても、寅さんシリーズの中の「つらさ」とは、せいぜい女性に振られるつらさであり、寅さん自身、その気になれば、リリーさんというたいそういい女といつでも所帯を持てる状態だった。今現在、男と女、どっちが辛い? 「つらい」じゃなくて「辛い」となり、呑気な惚れた腫れたの次元で語られる話でもなくなってきている。
女性の社会的不利を辛いとする声が大きい一方で、男性の辛さも寅さんのつらさとは質を変えてしまっている。
女性の社会的不利を辛いとする声が大きい一方で、男性の辛さも寅さんのつらさとは質を変えてしまっている。
また一個前の投稿の、ウェイン・レイニーもそうだし、日本人なら青木琢磨氏がそうだ。今年亡くなったフランク・ウィリアム氏もそうだが、事故で負ってしまったハンディキャップを持つ方々、事故どころか生来のものもあったりとか。そういう人たちの辛さと比較して「つらい」とか言うのが妥当なのか?
コロナなどの社会不安で、生き辛い人は?とかね。
コロナなどの社会不安で、生き辛い人は?とかね。
いや、パートナー、恋人を見つけられない辛さはあるさ。しかし、現実にはその辛さは複合的だし、思いつめれば簡単に殺人事件まで発展したりする。寅さん、性格上、もう少しでうまくいく時に限ってなんか逃げてしまうこともある。そんな奴が「つらい」なんて言うな、と言われないためには、これまでのシリーズと違う作りにしていくことも考えなくてはいけないのではないか?
今までとは急速に姿、質を変えるか、そもそも消滅しつつある「男性」性というものをもう一度吟味してみる必要がある。敢えて「男はつらいよ」というならば、今広がりつつある声に抗していくだけの力がしかもないと。