7429 藤木由貴_2
若い時には、さすがに他人がいるところでは言わなかったけれど、二人きりの時には、付き合ってた女性には「愛してる」と言いまくってた。それは、相手を喜ばそうとかではなく、ひたすら自分のため、という自覚はどことなくあった。
25連勤のあと、疲れがたまっていた所為もあったかもしれないし、花冷えというか、まだ、オレは今年の桜は見ていないけれど、3月末から4月初旬だというのに、妙に寒く、体が冷えていた所為もあるかもしれない。歯が痛くなり夜中に目が覚めた。
つい最近までなかった習慣だ。ナイトキャップ。寝酒。睡眠導入剤代わりに。あまり良いことではないよなぁ、と思いつつ。部屋に置いてあって少しぬるくなった缶酎ハイを呷る。
つい最近までなかった習慣だ。ナイトキャップ。寝酒。睡眠導入剤代わりに。あまり良いことではないよなぁ、と思いつつ。部屋に置いてあって少しぬるくなった缶酎ハイを呷る。
そういうのが何日か続いてる。そろそろ、体が参ってきている。昼なんか、座っていられない。横になりたいと思いながら仕事してた。
弱気になってるのだろう。そうだ。「愛してる」というのは、その瞬間気持ちよかったんだ。相手をハグしてる、されてる気持ちよさに似ていたような気がする。長らく忘れていた。そんな機会ももうない。
何が楽しかったんだろうな? なんて突き詰めて考えない方がよい。そういうこともあったのだ。それでいい。
相手にはいい加減飽きられた、呆れられた、というようなこともあったかもしれない。気持ち悪いと思われていたかもしれない。今思うと。ホント、もう言わないだろう、言えないだろう。
なんて考えているうちに、思考も止まりそうになり、ようやく眠りにつくことができるが、睡眠の絶対量が足りない。
苦しいけれど、大人だもん。そういうこともあるよね。