8451 初代セルシオ
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NT0088,0089 違和感
古代象の夢なりき 1
前回
富山市市街地のハズレのあたり。もうちょっと歩けば田園地帯が始まるようなそんな場所に、「グレムリン」はあった。面談に3名、お茶を出してくれた1名。その時そこには4人いた。
一緒に仕事してたオレより10コ弱ほど若い大田君、その後は楓牙という名前で漫画描いているそうで、以降此処では当時乗っていた車に因みインテグラ君とする。楓牙名義のXのアカウントに以下のようなツイートがあった。
夏も終わりましたがアンシャントロマンの怖い話を一つ。先のツイートで「風雅システムとは別の制作会社が作った」と書きましたが、その制作会社はアンシャントロマンを作るために作られた会社です。そこの社員は全員ゲームを作ったことがありませんでした。全員です。お察しください。おわり。
午前0:56 · 2021年9月22日
オレなんざ、「ゲームを作ったことがない」、最たるものだった。作ったことがなかったどころか、コンシューマ機(家庭用ゲーム機)を買ったことがなければ、当然プレイしたこともない。この話がなければ、興味もなかったのだ。
ランエボ専務が、何処かで聞いたこと見たことがある話を継ぎ接ぎしたような話を、今から作ろうとしているRPGのあらすじとして語る語る。ボス曰く、ランエボ専務の頭の中に、これから作るゲームのすべてが入っているのだと。それを聞いたのはこの時だったと思う。
正直、ゲームのストーリーってそんな程度でよかったの? とこの時ちらっと思った。まぁまぁ、しかし、オレなんぞそれまでゲームのまるっきり門外漢だったわけだし、ランエボ専務、風雅システムというスマッシュヒットも出したゲーム会社の社長もやっているという事だったので、そんな人物に対してゲームド素人のオレが此処で口出しすることはないか、と、その時思ったのだ。オレは絵を描いてお金にできればそれでよかったのだ。
参加したての時は、1枚いくら、という形で参加していた。翌日からオレは描きまくったのだが、ゲームをやったことがなくても、画面の絵、タッチが違ってしまってはダメなことぐらいは想像がついたので、とにかく、ランエボ専務に、これでもか、というくらいに作業を進めたのだが、どうもランエボ専務の反応が薄い。気に入らな過ぎて口に出せない、という雰囲気ではない。どうにもな、こっちとしても、違和感と不安を抱えて、しかし、1枚なんぼなので、描く手は止めないのである。
オレと同時期に、同じくキャラデザイン等をするために参加したそれより数歳若い青年がいた。俳優をしておられた矢崎滋氏に似ていたので仮に「矢崎君」としておく。
ネットでアンシェントロマン関係で一番出てくる画像「理不尽にも吹き飛んだおじさん」のキャラデザインは矢崎君によるものだったと思う。モブ、主人公系以外のキャラデザインをやっていた。
ネットでアンシェントロマン関係で一番出てくる画像「理不尽にも吹き飛んだおじさん」のキャラデザインは矢崎君によるものだったと思う。モブ、主人公系以外のキャラデザインをやっていた。
他に誰もいないタイミングで矢崎君が、「何かこのゲーム、ダメだと思いません?」と言ってきた。確かに、ストーリーは陳腐な気はしていた。その時は返事をごまかしていたのだが。
矢崎君、ランエボ専務に意見して嫌われたか何かして、途中で離脱していったのだが、作ったことはないにしろ、オレよりは遥かにゲームの事を知っていたはずだ。そして、このゲームの事を早い時期に端的に理解していたのだと思う。
まぁ、とにかくこのころのオレは、描いた物が作ろうとしているゲームから乖離してしまう事を恐れていたのだが、「作品の中のことは全て頭に入っている」というランエボ専務の頭の中にあったものは、しかし、酷く浅薄で雑で稚拙なものだった、と、今になって思う。最大の問題は当時は他の事を思っていたが、ゲーム全体像のこの曖昧さこそが最大の問題だったのだ、と。
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画像のセルシオは’ボス’が当時乗っていた事に因み。画像のものとは細かいところで違っていたような気がする。
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