7090 光石研
原作ではその辺、はっきりとは描いてないものの、映像版の「深夜食堂」はそのオープニングよりどうやら歌舞伎町が舞台、ということになっているらしい。その辺のエリアで現場、地回りのベテラン刑事さんの役の光石研氏は、「シンゴジラ演っていたのだから、新宿駅をはさんで西と東、随分と対象的な役を演じ分けておられるわけで、何やら面白い。「シンゴジラ」では「なぜすぐに避難指示が出せないんだ?」「災害マニュアルはいつも役に立たないじゃないか。すぐに避難計画を考えろ」「このままでは被害が拡大するばかりだ「公安委員会に連絡を取ってくれ。政府が動かないなら都から有害鳥獣駆除として自衛隊の治安出動要請を出すしかない」
現実でも同じ菜っ葉服なんだなぁ、と、小池東京都知事の作業服姿を度々目にしたが、コロナ対応に関し、国の対応より東京都や大阪府が突出した場面というのが特に2020年には見られたように思う。それが政府や中央官庁にとっては面白いことではなく、それなりに軋轢があったようにも聞いたことがあるが、「シンゴジラ」の前3分の1で観られたように、現実の日本政府の対応というのが、コロナ禍においてもあまりに鈍い。これを書いている現在、自民党の総裁選挙がトップニュースとなっているが、しかし、イデオロギーとか何とか以前に、このネット社会において政府の反応が見えづらく、又は非常に鈍いということを問題にしている候補者がいない。野党からもそんな声が聞こえない。一番の喫緊の問題はそこだと感じているのだが。
それはさておき、光石研氏である。シンゴジラ以前は、正直名前をも存知ていなかった。あまりドラマとか関心ないし、そもそもテレビ、映画、あまり見ないし。尾頭ヒロミ役の市川実日子氏が面白かったので、そこからいろいろ掘るようになったのだが、「マザーウォーター」とか「メガネ」とか、いろいろ共演しているおじさんというところで認識が深まった。東京都知事のような硬いやくというのが寧ろ稀で、どちらかというとふんわりしたおじさんの役が多い俳優さんであるようだ。
で、深夜食堂。どちらかというと原作漫画の方がなじみが深く、原作の方は、もうちょっとからっとしているのだが、そこは日本製のドラマ、すこし湿っている。そこはいい。どちらにしろ、スワンプギターが流れているような風合いで、それはそれでオレの好みではある。