2025年10月28日火曜日

8853 Biturbo _2

8853 Biturbo _2

 マセラティのビトゥルボ、80年代、なんかちぐはぐで時代の波にイマイチ乗り切れていない青少年の悩みに対し「ソープへ行け!」と喝を入れていた北方謙三氏が、丁度その頃乗っていたのではなかったかと思う。

 アラテン(なんて言う言い方があるのかどうかは知らんが、要するに10歳前後のおこちゃまのころのことだ)のあたりで、スーパーカーブームの洗礼を受けた身としては、マセラティといえば、ボーラやメラクのような、流麗で、ライトがパッカンと開く車をイメージしていたので、この押しの強い強面デザインは、それはそれでシブいと思った。
 乗ったことはないので想像だが、当時のイタリアのツインターボなど、そうとうじゃじゃ馬のドッカンターボだったんじゃないかと思う。実際自分が載る分には、う~ん、となるかもしれないが、如何にもキケンな雰囲気が楚々割れる、頭の弱いやつだった、オレは。 

2025年10月25日土曜日

8852 AJS7R_5

8852 AJS7R_5


 大藪春彦の原作版『汚れた英雄』で、主人公・北野晶夫がレースで大けがを負い、その復帰前に―― 恐怖心を克服するため、雪解け前の八ヶ岳の舗装路で、まだ人の来ない時間に、MVアグスタ350とAJS 7Rで走り込みをしていたくだりがあったと思う。

 このあたりの単車は、オレがそういうものに興味を持った1980年代には、もうとっくに大古車になっていた。どこか変にカッコつけた少しキモカワイイおじさん達の供物みたいになっていて、80〜90年代のNSRやTZRと比べたら、ずいぶん穏やかなもののように思えた。

 しかしこのAJS 7R、現役当時はカリカリのレーサーだった。主流のツイン勢を追い回し、勝とうとしていたのだから、乗る人を相当選んだはずだ。
 シングルシリンダーのエンジンは排気量が上がるほどピストンが大きくなり、振動も燃焼ロスも増える。だから総排気量ではツインに及ばなかったが、その代わりに軽量で、ピックアップの良さを極限まで引き出した設計だった。きっと、そういうマシンに命を賭けて乗るスペシャリストがいたのだろう。
 似た発想で――誕生の経緯はまた別だが――1977〜78年の鈴鹿8耐で走った「ロードボンバー」というマシンもあった。
 シングルでも4ストロークでもなかったが、ホンダのNS500も、やはり同じような哲学だったと思う。軽量とレスポンスの鋭さで、パワーの上のYZRやRGを追いかけ、あわよくば食ってしまう。シリーズ全体の戦略上、勝負を捨てるサーキットまで設定しての挑戦だった。

 いまや、複数の条件下で最適化された結果、どの単車も同じような機構とデザインになってしまった。そういうのはなにも単車に限ったことではない。仕方がないといえばそうなのだが――それじゃ何か、詰まらない。文明がピークアウトして、あとは坂を下っていくだけなのだということを、可視化されたようでさ

2025年10月4日土曜日

8850 Emma Watson _33

 

8850 Emma Watson _33

 元になった画像は、恐らくはAIによる自動生成なんじゃないかと思っている。自動生成イコール、フェイクであり、肖像権は?とか何とか、面倒くさい問題が待っている。一方で、それはファンメイドの似顔絵みたいなものであると考えたらどうなるか? そういうのはネットやPCがこの世に生まれる前から、雑誌とか何とかの読者欄にあったものだ。それら、いちいち問題にしていたか?

 しかし、AIにそれを作ってもらうとなるとどうなのか? 写真に非常に似せて。エマ・ワトソン氏など、そういうのが世界中で最も多いのではないかという印象さえある。実際、オレも、以前かっぽう着を着た氏を、AIに作ってもらったうえで、世界中でオレしかやっていないようなやり方でイラスト、絵画化を手作業でやった奴、掲載した。他に、幕末の志士の格好をした氏も生成してもらったが、それはまだイラスト化していない。結構時間かかるんだよ、手作業だと。1時間ほどかな。
 AIで、どこの誰が作ったかわからない画像で、それをわかって上でかそれすら判別付けずにか、喜んでる奴はこの世には存外に多いようで。

 肖像権や著作権って、まぁ、大事、とされているよね。それは異論を挟もうとしても難しい。オレとしては、御覧のように、明らかに日本の片田舎のおっさんが、なんかしこしこ描いているところを想像してしまうと、少々げんなりしてしまうくらい、それが想像できるくらいには、写真じゃない、昔の雑誌の読者投稿欄的な絵にはなっているし、何よりも今まで1銭もお金になっていないので、まぁ、黙認されているか、マイナーすぎて相手にされていない、知られていない、という感じか。

 その辺の、中の人、撮影した人、オフィシャルにそれを広めた人、此処までが権利者ね。純粋な推し活としてのファンメイド、闇にお金を得ようとする人。そう言った事情や関係がどのように推移していくか、特にAI自動生成なんて言うものが世に出て以来、激しく流動化していて、これから必ずしも権利者絶対有利というわけにもいかなくなることもあるかもしれない。

 しっかし、まぁ、そういうAI自動生成に騙されて喜んでいるアホな男たちよ、な。