7035 Valentino Rossi_26
Valentino Rossi
Losail 2021
1998年のシーズンだったか、いやいや、ちゃんとググろう。うん、間違いない1998年だ。鳴り物なりで125㏄から250㏄にステップアップしたヴァレンティ―ノ・ロッシは同じアプリリアに乗る原田哲也やロリス・カピロッシと同等の速さをもっていながら、時に彼らの老練さにはめられたりなんかして、いいとこ走っていながら転倒したりして。でも当然の如くこの年の250㏄のルーキーオブザイヤーをとってみたりとか、そういう年だったのだが、それにしても、髪型が今のりゅうちぇるみたいな感じで、顔つきもなんかアホっぽい感じで、いまいち好きになれなかった。
顔つきで言えば、この年のチームメイトだったロリス・カピロッシもルーキーの頃は、大丈夫かこいつ? みたいなアホ顔だったけど、キャリア晩年に近づくにしたがってすごみというか陰影を身につけいい顔になっていったように思う。
ぽんぽんぽんとステップアップして、2年目にはチャンピオンを獲るというのは500㏄でもあっけなく実現させてしまい、こいつの時代、どれだけ続いてしまうんだろう? なんて、ちょっとおもしろくなかった。
様子が変わったのはケーシー・ストーナーが登場してからで、必ずしも無敵というわけではなくなった。それでも、辛くもチャンプを獲ったり獲らなかったり。
気が付けば、かつてはGPといえば、二輪のWGP以外ありえなかったけれど、motoなんて文字がついて、数多く棚に陳列されたコンテンツのひとつとして手に取ってもらえるのを待つような、そんなものになってしまい、つるんとした顔の男の子たちがなんかやってる、という競技になんてしまっているけれど、その中にあって、古武者の風格をというか独特の存在感を持つライダーになっていた。
ヴァレンティ―ノ・ロッシという名をオレが認識して23年も経つ。寧ろ今引退というのは、何と長い期間その場にいたのか、と、改めて何とも言えない感慨を抱いてしまう。